骨粗しょう症の診断・予防|岐南町|しみず整形外科リハビリクリニック

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骨粗しょう症は、骨の中のカルシウム量が減り、骨密度が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨は男女とも20歳くらいでもっと丈夫になり、その後は45歳位までそのまま維持、その後年齢と共に弱くなっていきます。女性ホルモンには骨密度の低下を防ぐ働きがあるため、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後の女性は骨が弱くなりやすいのです。

高齢女性の写真

骨粗しょう症による骨折は、平均寿命と健康寿命の差を広げている一つの原因です。健康寿命とは健康上の問題がない状態で日常生活を送ることができる期間のこと。
現在、平均寿命と健康寿命との間には、女性では12.4年の差があります。

骨粗しょう症は自覚しづらい病気です。骨密度測定の結果から骨粗しょう症が疑われたり、①身長が縮んだ気がする②背中が丸くなった③背中・腰が痛くなる などの症状がある方は整形外科専門医の診察を受けましょう。

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骨粗しょう症こつそしょうしょう

-症状-
骨粗しょう症は、骨の中のカルシウム量が減り、骨密度が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症の一番の問題は、骨折しやすくなることです。

背中・腰の骨が体の重みなどによってつぶれる「圧迫骨折」、転倒により脚のつけ根が折れる「大腿骨近位部骨折」が起こりやすくなります。特に大腿骨骨折は入院・手術が必要になることが多く、歩くことができない期間があるために「寝たきり」になる可能性が高まります。寝たきりになり、今まで自分でできていたことが困難になると「うつ病」や「認知症」を患うリスクが高まります。

結果的に介護が必要になるなど、ご本人はもちろんご家族にとっても大きな負担となってしまいます。

-原因・病態-
加齢、閉経、カルシウム不足、運動不足などが骨粗しょう症になりやすい要因です。

診断
まず症状や病歴をお聞きしたり、背骨の変形などの身体所見を診察したりしてから、その後検査を行います。

骨粗しょう症の診断には、DEXA(デキサ)を用いて、腰椎と大腿骨近位の骨密度を測定します。骨折の発生頻度の高い部位を高い精度で測定することができます。
当院では最新式の装置(米国GE社製)を導入いたしました。入射線量が通常の胸部レントゲンの約1/6程度と低被ばくで、体に優しい装置です。

背骨も骨折していないかどうかを確認するために、レントゲン(エックス線検査)を行います。
当院のレントゲン装置は、無用なエックス線をシャットアウトして被ばくを低減する安心のインターロック機構を装備したシステムです。

-予防-

適度な運動は骨を刺激し、丈夫な骨を作ります。また、骨に対する適度な負荷(運動)により、摂取したカルシウムが骨にくっつきやすくなります。年齢に関係なく、負荷がかかると骨自体が強くなっていきます。
バランス運動やストレッチを行うことで、骨折の原因となる転倒の危険性が減ることも分かっています。背中や腰に症状のある方は無理をせずに、行える範囲内の運動にしましょう。

カルシウムは骨を作っている重要な栄養素で、骨粗しょう症の予防や治療に欠かせません。カルシウムは成人男性で1日に約650-700㎎、成人女性では約650㎎摂取することが推奨されています。丈夫な骨を保つためにはこれに約100㎎を上乗せし、1日に750㎎-800㎎を目安にするとよいでしょう。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨を作るのに重要なビタミンKを多く含む食品を取ることも大切です。ビタミンDはきのこ類や魚類等、ビタミンKは緑色野菜や納豆にたくさん含まれています。量を控えた方がいい食品としては、加工食品や食塩、カフェイン、アルコールなどが挙げられます。

日光(紫外線)に当たることでも、体内でビタミンDが作られます。夏なら木陰で30分、冬では顔や手に1時間ほど日光を浴びることが推奨されます。
ガラスは紫外線をあまり通さないため、窓越しではなく屋外での日光浴をおすすめします。

骨粗しょう症による脊椎圧迫骨折

骨粗しょう症による脊椎圧迫骨折せきついあっぱくこっせつ

-症状-
主に腰や背中に痛みを生じます。新規に生じた骨折(新鮮骨折)では急性の腰背部痛がでます。骨折の癒合(くっついて固まること)後も背骨の変形が残った場合、背骨の支持性の低下に伴って筋疲労を生じ慢性の腰背部痛となります。

腰や背中が曲がり、身長が低下します。背骨の変形が強くなると、前屈みの姿勢が内臓を圧迫して、消化不良や便秘・逆流性食道炎などの消化器症状、息苦しさなどの心臓や肺の症状の原因となります。

-原因・病態-
骨粗しょう症という、骨の中のカルシウム量が減って骨の密度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気が原因です。尻もちをつくように転倒しての発症が典型的ですが、骨粗しょう症の程度がひどい場合、日常の生活の中でいつの間にか骨折を生じることもあります。

一般に、骨折してつぶれた椎体は、数か月の経過のうちに圧潰変形(つぶれたままの形)を残したまま癒合して治癒します。
しかし中には椎体の圧潰がどんどん進行し、骨折部が癒合しないまま、高度の腰曲がりと長引く痛みを残す場合があります。稀ではありますが、徐々に両脚がしびれて動かしにくくなるような神経の麻痺症状が、骨折後しばらくしてから現れる場合もあり、注意が必要です。

-治療-
圧迫骨折を起こさないよう、骨粗しょう症の治療を行うことが重要です。食事・運動・お薬による治療を組み合わせて行います(詳しくは、『骨粗しょう症』をご参照ください)。
圧迫骨折の治療は、コルセット等による体幹の固定、痛みに対する内服・注射、さらにリハビリテーションを組み合わせて行います。

これらの保存療法が無効の場合に、手術(骨の中にセメント等の補強材料を充填して痛みを緩和する低侵襲手術や、金属スクリューなどの内固定器具を用いた背骨の再建手術など)が選択されることがあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関の医師をご紹介いたします。

橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折とうこつえんいたんこっせつ

-症状-

手首には強い痛みがあり、腫れを生じます。転位(ずれ)がある場合には変形も伴います。指に力が入らず、十分に握ることができません。骨折部は不安定で反対側の手で支える必要があります。手指のしびれが生じたり、後日、母指を伸ばす腱が切れたりすることがあります。

-原因・病態-

手のひらをついて転んだり、自転車等で転倒して、前腕の2本の骨のうちの橈骨が手首のそば(遠位端)で折れる骨折です。特に閉経後の女性は骨粗鬆症のために骨が弱いことが多く、好発します。若い人でも、高所からの転落や交通事故などで強い外力が加わることで骨折します。

前腕のもう1本の骨である尺骨が同時に折れる場合もあります。

橈骨の手のひら側を走行している正中神経が、折れた骨や腫れで圧迫されることにより、手指のしびれを生じます。

診断にはレントゲン撮影を行います。治療方針の決定のために、CTを追加して行うこともあります。

-治療-

骨折の転位(ずれ)が軽度であったり、転位があっても整復を行って骨折部が安定している場合は、ギプス固定による保存的治療を行います。成人では4-5週間の固定を行います。ギプス固定中であっても手指は努めて動かすようにします。

整復直後でも骨折部が不安定ですぐにずれるものや、ギプス固定をしても再度転位してしまうような場合には、手術が必要になることもあります。手首の関節面の骨片がずれたままで整復できない場合や、骨折部の粉砕が強く不安定な場合も、手術を選択することがあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。