骨粗しょう症こつそしょうしょう
-症状-
骨粗しょう症は、骨の中のカルシウム量が減り、骨密度が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症の一番の問題は、骨折しやすくなることです。
背中・腰の骨が体の重みなどによってつぶれる「圧迫骨折」、転倒により脚のつけ根が折れる「大腿骨近位部骨折」が起こりやすくなります。特に大腿骨骨折は入院・手術が必要になることが多く、歩くことができない期間があるために「寝たきり」になる可能性が高まります。寝たきりになり、今まで自分でできていたことが困難になると「うつ病」や「認知症」を患うリスクが高まります。
結果的に介護が必要になるなど、ご本人はもちろんご家族にとっても大きな負担となってしまいます。
-原因・病態-
加齢、閉経、カルシウム不足、運動不足などが骨粗しょう症になりやすい要因です。
–診断–
まず症状や病歴をお聞きしたり、背骨の変形などの身体所見を診察したりしてから、その後検査を行います。
骨粗しょう症の診断には、DEXA(デキサ)を用いて、腰椎と大腿骨近位の骨密度を測定します。骨折の発生頻度の高い部位を高い精度で測定することができます。
当院では最新式の装置(米国GE社製)を導入いたしました。入射線量が通常の胸部レントゲンの約1/6程度と低被ばくで、体に優しい装置です。
背骨も骨折していないかどうかを確認するために、レントゲン(エックス線検査)を行います。
当院のレントゲン装置は、無用なエックス線をシャットアウトして被ばくを低減する安心のインターロック機構を装備したシステムです。
-予防-
適度な運動は骨を刺激し、丈夫な骨を作ります。また、骨に対する適度な負荷(運動)により、摂取したカルシウムが骨にくっつきやすくなります。年齢に関係なく、負荷がかかると骨自体が強くなっていきます。
バランス運動やストレッチを行うことで、骨折の原因となる転倒の危険性が減ることも分かっています。背中や腰に症状のある方は無理をせずに、行える範囲内の運動にしましょう。
カルシウムは骨を作っている重要な栄養素で、骨粗しょう症の予防や治療に欠かせません。カルシウムは成人男性で1日に約650-700㎎、成人女性では約650㎎摂取することが推奨されています。丈夫な骨を保つためにはこれに約100㎎を上乗せし、1日に750㎎-800㎎を目安にするとよいでしょう。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨を作るのに重要なビタミンKを多く含む食品を取ることも大切です。ビタミンDはきのこ類や魚類等、ビタミンKは緑色野菜や納豆にたくさん含まれています。量を控えた方がいい食品としては、加工食品や食塩、カフェイン、アルコールなどが挙げられます。
日光(紫外線)に当たることでも、体内でビタミンDが作られます。夏なら木陰で30分、冬では顔や手に1時間ほど日光を浴びることが推奨されます。
ガラスは紫外線をあまり通さないため、窓越しではなく屋外での日光浴をおすすめします。